
夢のような快楽から暴力的な凌辱まで、
ありとあらゆる肉欲を金に換える館が立ち並ぶそこは世界有数の娼館街。
帝国の駐留軍人である『南雲宗太』は、
そこで一組の男女の姿を捉えたまま立ち尽くしていた。
この街で知り合った、亡くなった婚約者にどこか似た面影を持つ没落貴族のリィナ。
彼女の隣にいるのは、よりによって同じ隊の友人。
娼婦として他の男達に抱かれ、
変わっていくリィナの心を宗太は繋ぎ止めることが出来なかった。
打ちひしがれて独り裏路地を歩いていた宗太は、
ふと道ばたに落ちていた古ぼけた懐中時計を拾い上げた途端、
時計の針は勢いよく巻戻り-----
気が付いたときにはリィナとの出会いの日まで時間が戻されていた。
記憶をなぞらえたように出会いを果たし、体を重ね、恋に落ちる2人。
夢でも見ているのかと宗太は考えるも、その次の日も時間はそのまま流れていった。
いつかと同じように。
そして、リィナが娼婦として初めて他の男に抱かれる時に至り、宗太はようやく気付く。
このまま自分が何もせずに時が進めば、彼女はいずれ他の男の手に堕ちてしまうことを。
同時に、宗太が見てしまった他の男に抱かれるリィナの姿は、
鮮烈に彼の脳裏に焼き付いていた。