コイン5倍 COMICネクロシスvol.7
作品紹介
《リョナジャンルに固執妄想して贈る、どこを切っても鮮血しか出ないリョナ・オンリーアンソロジー第7弾が登場!》
リョナコミック界の熟練作家と新進作家が集結して贈る、悪意と失意に満ちた描き下ろしアンソロジー、全5作品!!
表紙は、絵師broilerが、拘束されたミニマム美少女を、どこにでも連れて行ける手荷物感覚で、その存在すべてを軽んじるような様を陰湿に激描!!
さて今号のトップは、様々な状態変化で独自の世界観を構築するトトリナからご紹介!
謎の洞窟で消息を絶った先遣隊を救出すべく訪れた元女性軍人のベリルは、先遣隊に妹のイルケが属していること、また今作戦の通信担当が妹のフィアンセであるということで、様々な想いと決意を持って洞窟の奥へと進むが…。
SFの短編小説のような趣(おもむき)とスリラー要素、また作者が得意とする残酷描写が合いまった今作は、正にリョナ的エンターテイメントの秀作です!
次に、前号で鮮烈な登場を果たした期待の俊英・岩久月が、待望の2作目を引っさげてスタンバイ!
雪山で遭難した登山者の男を救ったのは、白い体に薄着を羽織っただけの、その場には似つかわしくない若い女だった。
気付けばそこは電話も通ってない雪小屋で、その女、ユキに欲情した男は、幽艶な体を貪りつくし、ユキとの肉欲にまみれた生活を送る。
しかし、しだいに備蓄してあった食料が尽きてしまい、男は下山の頃合いとみるが…。
現世との境目のような雪山の奥地で、一人寂しく過ごしてきたユキの、その男への想いが招く熾烈な自己犠牲的決断が、嗚咽と嘔吐を誘います。
さらに今回は、本誌vol.4以来、久々の登場となる派歩が、生意気なJKを滅多打ちにする学園ハートフル(?)リョナ作品で復帰!
生徒からの信頼度ゼロのしがない教師に訪れた、宝くじ当選という奇跡的転機に、その人、篠埼先生は、本来持ち合わせていた悪魔的本性を露にし、日頃から自分を見下していたJKの秋野さんを、これでもかと痛めつけ、さらには彼女の制服を引きちぎり、更なる暴挙に出るのだった…!?
また本誌vol.5以来の登場となる《丸呑み》でお馴染みのタクが、これまたとてつもない新たなモンスターを創造し《丸呑み》の恐怖を引き立てます。
「人喰いロッカー」なる学校の噂に興味津々の真樹と、バカバカしいと意に介さない麗奈、そんな二人が文化祭の資材を取りに校舎裏の倉庫に赴く事に。
倉庫の中に入ると、目の前にあるのはなんだか怪しいロッカー。麗奈は嫌な予感に取りつかれるが、そのロッカーを真樹が開けると、果たして…!?
最後に、リョナ界の重鎮であるベテラン氏賀Y太のライフワーク的作品の続編ショート作をご紹介!
どれほどの殺傷行為を受けようとも、人間と同様の痛みを感じて尚、死ぬことが許されない不死身のメイドまいちゃん。
そんな彼女の前で、雇い主の神雷武は、何の罪もない普通の人間たちに殺戮の限りを尽くす。
そこには一体なんの目的があるのか…!?
世の様々な悪虐を呼び覚まし、心身を追い詰め、やがて狂いの常闇に導く…この狂死的エンターテイメントをお見逃しなく★
《表紙イラスト》
broiler
《執筆作家陣》
トトリナ/岩久月/派歩/タク/氏賀Y太
《収録作品》
【コクーンマッドネス】トトリナ
突如発見された謎の巨大洞窟。戦争の火種になりかねない緊張した軍事地域ということもあり、軍主導で送られた先遣隊が洞窟の調査にあたったが、その後、先遣隊はロスト。
これ以上の行方不明者は出せないと、軍は元女性軍人であるベリルに単独での調査を依頼するが、先遣隊の中にはベリルの妹イルケが所属しており、またミッションの通信には、妹イルケのフィアンセが担当しているということもあって、ベリルは不安と責任、そして決意といった幾つもの感情を一つにして、この困難なミッションに挑まなければならなかった。
《先遣隊は、そして妹イルケの生存は? そもそも洞窟の奥底でなにがあったのか?
様々な謎に満ちた今作ですが、それが氷解すると共に襲い掛かる更なる恐怖が、五感を震わせます》
【雪の断末魔。】岩久月
轟轟と吹き荒れる雪山で、一人の登山者が膝をつき倒れこむ。
男は死を覚悟して意識を失うが、そんな彼を遠くから見つめる白い影。男が目を覚ますと、そこは古い雪小屋で、傍らには、この世のものとは思えないほどの美しい女が添い寝してくれている。
女の名はユキ。母親を亡くしてから、ずっと一人でこの雪小屋で質素な生活を送っているという。
下山がままならぬ男は、ユキとの生活を始めるが、男はユキに欲情し、その淫靡な肉体を貪り毎日を過ごす。
しかし、そうしているうちに小屋の食料も枯渇してしまい…。
《ユキは何者なのか? そして食料はどうやって調達するのか?
今作はエロティックなスリラーですが、終盤、白雪に血飛沫が降りかかるほどの鮮烈な勢いで、驚愕の色合いに変容します》
【最終下校の時間です】派歩
放課後、空き教室で一人熟睡の秋野さん(JK)は、篠崎先生の「起きろ」の声で目を覚ます。
今日もサボりを完遂しご満悦の彼女は、散らかした菓子袋や飲料ボトルの片づけを先生に任せ帰宅。
秋野さんになめられっぱなしの篠崎先生は憎悪に身を震わすが、突如鳴り出したスマホからの「宝くじ7億円当選」というドが付くほどの吉報報に仰天!
彼は一躍億万長者になったのだ。
そして翌日の放課後、空き教室で眠っている秋野さんをルーティーンよろしく起こす先生。
しかし起こし方は違った。声を掛けるでなく、渾身の喧嘩キックで秋野さんを蹴り飛ばしたのだった。
《皮肉の効いたお話と軽妙な作画で、その独特の世界を具現する著者ですが、今作の〈教師→女生徒〉への暴●描写はとてもハードで、純粋な〈痛み〉を味わえること必至! ラストも強烈です》
【人喰いロッカー】タク
「校舎裏にひっそりとたたずむ廃倉庫。その中には、廃倉庫には似つかわしくない、やたらと綺麗なロッカーがあるという。
してそのロッカー、不用意に開けたが最後、その者を捕って喰らい…」
な~んて、そんな話が大好きな真樹ちゃんは、一緒にランチを共にするモモちゃんプレゼンツの〈学園の七不思議〉的なオカルト話に興味津々。
しかしちょっと大人びた感じの麗奈ちゃんは、くっだらないと教室を後にします。
そして放課後、先生に文化祭に必要な資材を取りに行くよう任された真樹ちゃんと麗奈ちゃんは、なんと噂の廃倉庫へと向かうことになったですが、はてさて…。
《丸呑みに、作家人生の全てをかけていると言っても過言ではない著者が放つ、新たな丸呑みモンスターに興味はつきませんが、丸吞みシーン同様、今作も二度見したくなる意欲作です》
【新まいちゃんの日常―無限解剖―2話】氏賀Y太
出張メイドのまいちゃんは、殺しても死なない不死身の少女。
そんな彼女に興味を持った天才少年・神雷武は、まいちゃんを一ヵ月メイドとして雇い入れ、死線を超えた●問を繰り返しつつ、裏で彼女の生態を探るべく、体組織を科学者に調べさせた。
その特異な回復能力をビジネス化しようと企んでいたのだ。
しかし彼女の体はすでに第三者に調べ尽くされており、その能力がすでに軍事転用されていることを知った神雷は、後塵を拝した猛りと、どんな苦痛も受け入れるピュアなまいちゃんへの歪な想いを更に膨らませ、彼女を執拗に責め立てるのだった。
《いかなる●問にも気丈に振る舞うまいちゃんに業を煮やした神雷は、国籍の無い人間たちを集めて彼女の前で殺戮を開始!
今作は、神雷の狂気に満ちた偏愛的衝動が見所のショート作です》