作品紹介
私・西門寺透子は、キャリアウーマンとして生きてきた。
自分で言うのもあれだが、仕事の実績は群を抜き極めて優秀、私生活も充実していた。
しかし――。
仕事に打ち込んできた結果、この年齢になってしまった。
気づけば定年そして、私は結婚をしていない。
所謂『残り物』である。
ある時、若いおとこのこたちの集団が目につく。
活発そうな男子たちの中に、一人だけ大人しそうな男の子がいた。
(そうだ――。孫を買えばいいのよっ!)
(だったら、『マゴ活』ってどうかしら? お金と引き替えに私の孫を演じてもらって……)
そして私は何気ない風を装いながら、その男の子へゆっくりと近づいていった。