コイン5倍 ハラマセテ人妻
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作品紹介
終業後にも関わらず、忠・佐々木忠は、上司の罵声を浴びていた。
そこそこ仕事のできる女だが、管理職には決して向かない人間だ
忠はそう思いながらも、ただただ謝るダメ社員を演じることで、なんとかその場をしのごうとした。
決して最善の策とは思えないが、少なくともこの女の理不尽さの前では、これが次善の策であるのは間違いない。
頭を下げた忠は、だがその目線だけ、女の胸元へと向けた。
大きな胸が、たぷんたぷんと揺れている。この肉体だけは価値がある。
忠はそんなことを考えながらも、上辺だけで何度も謝っていた。
そんな忠を知ってか知らずか、女上司───倖(さち)が罵声のついでに机を叩く。
バンという音に混じって、カンッという、指輪と机のぶつかる音がした。
この女上司がただの管理職だったなら、もう少し違ったやり方もある。
だがこいつはただの管理職ではない。どう間違っても、逆らって機嫌を損ねるわけにはいかない。
なぜならこいつは、この会社の社長・蛯原直人の配偶者だからだ。
この女に嫌われたら最後、すぐに窓際へ追いやられ、やがて会社を辞めるハメになる。
そうやって消えていった人間を、忠は何人も知っていた。
だからいまは、ただぺこぺこするしかない。
上司の気が済むまで罵声を浴びてから、忠はようやく会社をあとにした。
「あの女がムカついて仕方がない」
モリモリと腹立たしさばかりが膨れていく。
帰宅途中、ふと大きな屋敷の前を通りかかると、表玄関の前に黒尽くめの車が止まった。
車から降りてきた男は七飯賢悟……息子のほうだ。
親子三代で代議士というサラブレッドだって?そりゃあ、お忙しいんだろうよ。
そうつぶやきかけた忠は、出迎えた女性を見て口をつぐみ、わが目を疑った。
この街に来る前、忠が実家に住んでいたころ、近くに住んでいた地元の名士の娘じゃないか!?
その『あこがれの隣のお姉さん』だった女性───玖玲亜(くれあ)が、いま屋敷の前で、七飯賢悟を出迎えていた。
左手の薬指に、指輪が光っている。
なんの偶然かと目を見張る忠に、玖玲亜は気付いたようだ。忠に向かってちょこんと軽く会釈をする。
俺を憶えているのか?
そんなわけがない。ただ近所に住む人間に、礼をしたに過ぎない。玖玲亜はそういう「育ちのいい女」だった。
貞淑な妻の顔で、玖玲亜が屋敷の中へ消えていく。
その尻は、昔以上に魅力的に膨らんでいて、ふるんふるんと揺れていた。
忠の中の腹立たしさに嫉妬が加わり、さらに膨らんだ。
もう我慢できない。とっとと家へ帰って、なにか憂さ晴らしをしないと気が済まない。
忠は家路を急ぐ。
が、マンションへの上り坂の手前で、またも懐かしい顔を見かけてしまった。
やはり実家の近くに住んでいた、つぐみだ。昔、忠がよく一緒に遊んでやっていた、幼馴染のつぐみだ。
あのマンションに引っ越してきたのだろう。トラックからマンションの中へ、つぐみはいそいそと荷物を運び入れている。
つぐみに声でもかけようかと近づいた。しかし、その足が止まる。
つぐみと一緒に荷物を運ぶ好青年がいた。
そしてつぐみの左手の薬指に、指輪が光っていた。
「あのつぐみが……いつもわがままばかり言って、周囲を困らせることしかしなかったつぐみが……」
思わず口から垂れ流していたが、つぐみはもう、マンションの中へ消えたあとだった。
そしてその後ろ姿に忠はハッとなった。
かつてのつぐみは、寸胴でまったいらな、およそ女とは思えない体つきだった。
だが、このつぐみはなんだ。服を押し広げている大きな胸! 大きな尻! なのに細いウエスト! 滑らかな足!
その男か! その、人が良いだけが取り得のような男が、そのふっくらした尻を撫でてるのか!
そのほっそりとしたウエストを舌でなめあげて、そのたゆたゆした胸を揉んでいるのか!
ぐにぐにもんでるのか! それでつぐみは、あんあん悶えるのか!!
昔と同じ顔で、昔と同じ声で、「入れて」とか、「あん、奥にきてるぅ」とか、「来て、中に来てっ!」とか言うのか!!
「出てるぅ、精液でてるぅ!!」とか、「妊娠しちゃうよぉ!」とか! あのつぐみが、つぐみが毎晩言ってるのか!!
忠の中で、嫉妬がはちきれた。
なぜ!! なぜ幸せになるのは、俺の周りの奴ばっかりなんだ! どうして俺じゃないんだ!
嫌味か? 幸せになれない俺に、自分の幸せ見せ付けて、さらに幸せになろうってのか!?
善人面して、そうやって自慢して、人より高いところに昇るつもりか!!
そうか……それなら俺も幸せになろう。
あいつらの幸せを奪って、幸せになろう。
断じて、あいつらから、幸せを分けてもらうんじゃない。
あいつらのちっぽけな幸せなんか欲しくない。
あいつらから幸せを奪い取って、そしてあいつらの、幸せを奪い取られた瞬間のその顔を見て、俺は幸せになろう。
呆然と見上げるあいつらの顔を見て、俺は幸せになる!
忠は目を血走らせながら、自分の部屋へと帰りつき、策を練るのであった……。
キリリときつい目つきと顔立ちにたがわず、高慢で高飛車な女。
平凡な家庭に生まれるが、非凡な容姿を持っていたがために、 女王のように振舞うことを当然と思い、
また強い上昇志向を身に付けた。世界は自分を中心に回っている。そう確信している。
興味があるのは、自己実現と自分の容姿。自分の思い通りにならないことが嫌い。
努力と狡猾さが実り、晴れて社長婦人の座につくも、仕事は続けている。
夫は、主人公の勤めるIT系の企業・ソフトドアの社長。
学生時代にモデルのアルバイトで稼いだ資金を元手として、25歳の時に会社を設立。
それからわずか10年弱で会社は株式上場を果たし、目下業界を躍進中。やり手だが善人。
茶道華道からテーブルマナーや芸術鑑賞まで、セレブのたしなみは一通りこなす才女。
名士の家に長女として生まれ、幼稚園から大学までを有名私立校ですごした。
内助の功の担い手として育てられ、今では代議士である夫を支えている。
人並みに現代的ではあるが、自分の人生になんの疑いも不安も持っていない。
「良家の才女」。その額面どおりの女性。
夫は、若い三代目代議士。
与党内にクリーンな風を送る議員として、マスコミからも注目されている。
見合い結婚だが、夫とは温かな愛情で結ばれている。
明朗快活だが、いつまでもあどけなさの残るベビーフェイスの持ち主。
可愛い顔とは不相応に育ったボディのために、常に周囲からちやほやされてきた。
そのため、自分が優遇されることを当然と思っており、自分の希望が適えられないときには、
それは相手の狭量さや手際の悪さが原因であると決めつけてしまうところがある。
幸せで暖かい家庭が夢だと簡単に口にし、その反面、そういったものを目指さない人間は、社会の寄生虫ぐらいに思っている。
主人公とは幼馴染。当時ひそかに想いを寄せており、つぐみのために走りまわされることもしばしばだったが、 つぐみはその性格から、主人公の好意を当然と思っており、主人公の努力は水泡に帰した。
夫は、主人公の会社の得意先である急成長中のIT企業で、役員を務めている。
度を過ぎていい人であるが、決して間抜けではない、さわやかな青年。
つぐみとは、兄妹のような夫婦関係。
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